星降る夜に / Night on a shooting star
PEラインとリーダーをFGノット結ぶ
プラス、
ハーフヒッチを10回掛ける。
今日持っていく小さいルアーケースは
MAX6本
迷わず選んだルアーが4本
後の二本をどれにしようか
答えが出ぬまま時間は過ぎる
迷ってる俺は真剣だ
そうだ
今まで一度も
成果を出せなかった
ルアーがある
それを選んだ。
せっかく生まれたこのルアー
いい仕事をさせたい
光を当てたい
ルアーに喜んでもらいた。
誰がこのルアーの発起人だろうか
いったいどれくらいの人が
開発にかかわったのか
どれだけのフィールドで
試行錯誤されたのか
何本のプロトルアーが
闇に葬られたのか
俺は知る由もないが、
たくさんの人が
一本のルアーにかかわり
一本の確固たるコンセプトを
貫き
確かめ
出来上がった。
このルアーに
光を当てたい。
ヘタレな俺に
これができるのか。
今夜やってみたい。
出発だ
今夜は新月
真っ暗闇
ヘッドライトだけが道を照らす。
ハイウエイに上がると
オレンジ色のライトが
ぽつりぽつりと道を照らしてくれる。
その明暗が
シンとした寒さを
引き立てる。
運転席の窓を少し開ける
南西の風が冷気を運んで
車内の気温が一気に落ちる
30分後には
ルアーをキャストしているのだ
気温を肌で感じて
魚の活性状態を想像する。
外気に慣れておくのも悪くない
左ウインカーを出し
ハイウエイを降りる
ラウンドアバウトを越えて左にある
ペトロステーションの価格表を
無意識にチェックする
$140.50
ちょっと高いな
どうせ入れないんだけど。。
ボートランプが見えてくる
真夜中なので誰もいない
そのまま走って
橋脚ポイント
誰もいない
新月の満潮前というのに
誰もいない
左折してローカル道路を少し走り
目的地近くの空き地に
車を止める。
ヘッドライトを消し
エンジンを止める。
さあ用意しよう
外に出ると
風が冷たい
空を見上げると
うは~
キラキラ輝く満天の星
釣り人の特権だね
スライドドアを開けて
速攻用意
いつものサーチルアーをセットして
バッグパックを背負い
ランディングネットを背中にかける
闇に向かって歩き出す
ああ
はやくキャストしたい
自然に早歩きになり
小走りになる
誰もいない夜中に
誰とも競うことのない真夜中に
つまづきながら
背中にしょってるものを
ゴトゴト言わせながら。。。
俺はいつも急いでる
俺はいつも焦ってる
俺はいつも何かに追われてる
妄想中年崖っぷち
丘のてっぺんでつまづいた
前のめり
こけるぞ
マジアセル
一人で苦笑い
”アホだな俺”
と独り言
岩礁地帯を
注意深く進む
目印の白い石を探しながら
そこにバッグパックを置く。
目を暗闇に慣らしておきたいので
明りは消したまま
必要なものだけをベストに入れる。
音を立てないように
岩にスパイクを食い込ませる
先日滑って、両手を広げて
案山子スタイルで
何とか岩に手が届き
セーフだったズルズル岩。
ぶっ壊れてる
おれのメモリーでも
やばかった事だけは
体がちゃんと覚えてる
一投目
潮の速さを確かめるために
真正面に投げる
ルアーの着水音と同時に
リールを巻き始める
引き重りを感じる
リールのハンドルを13回ほど巻くと
水の抵抗がフッと軽くなる
そのままゆっくり引いて
あしもと10mくらいで
また少し重くなり
Ü字を切った
ラインがまた戻ってくる
いい感じの潮の流れだ
使ってるリールの
最大巻き上げ長
(ハンドル一回転で
何センチ巻けるか)
は、93cm
93cm x13回 = 1209cm
今日は、南風の微風で
おそらくキャストした時点で50~55m
糸ふけを考慮して
ルアーの着水点から
およそ10mは潮が
左から右へ強く効いてる
そしてプラマイゼロ地帯
その後反転流が足元まで流れてる。
新月の闇夜
どんなに目を凝らしても
全くラインは見えない
2投目
目を閉じて
感覚でリールを巻く
もっと集中できる。
やっぱり13回で軽くなる。
潮の流れは、確定だ。
夜中にこんなことをして遊んでる。
3投目
投げる前に
ロッドの先端からルアーまでのラインのたらしの長さを
確認しようと頭を上げる
あああ、
空にはたくさんの星
キラ~
尾を引いてる
流れ星見つけた
寒さも忘れた
つまらないことも忘れた
流れ星がそんなものを
持って行ってくれた
キャスト
着水
リールを
一回転
二回転
三回転
ググッッ
フッキングだ
ロッドがしなる
ヨシ!
真っ暗闇のなか
引きを楽しむ
ロッドのしなりを確認する
いいなあこの時間
満天の星
今日
精一杯
やってみよう。

アイマ サスケ120 /メッキ、エバ
おいおい
ima sasuke120
じゃねーか
例のルアーはどうした?
えっと~。。。。
お前自身か?
ランキングをクリック
よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
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